2021-03-01 そうだ舞台の話を③〜本番前のお白洲ごっこ〜 日本舞踊。 久しぶりに舞台に立たせてもらったのに。 多彩な『ライブ』で、冬の秋田を熱くする! 『ジャパン・ライブエールプロジェクト inあきた』 あきた舞踊・舞踏フェスティバル<邦舞公演> 令和3年1月24日(日)13時開演 秋田市にぎわい交流館AU展示ホールこんなイベントがあって花柳仲登嗣(はなやぎなかとし@ここの人)と愉快な仲間たちで舞台に立たせてもらいました。「邦舞」という言葉に馴染みのない方に、これは「日本舞踊」と同義です。日本舞踊の指導者(ここの人)と、お弟子たち7名の合わせて8名によるステージでした。コロナ禍で苦境に立たされているパフォーマーを救済しよう、という目的の公演だったと思います。我が稽古場も普段の稽古(個別のみ/団体は壊滅)だけが淡々と行われていますが、どこかで発表する機会には全く恵まれていません。そこに思いがけず飛び込んできた話。しかも出演者に制限(年齢や芸名を持っている者に限るなどの括り)が設けられない滅多にないチャンス。他流、他社中の方々と同じ舞台に立つことなど今まで例を見なかったので。何も喜ばしくないコロナ禍に於いて唯一の好材料でした。10月初旬に出演が決まり、それから3ヶ月を切る準備(稽古)期間で。12分の持ち時間中、主にここの人が踊るものの。ほか7名のメンバーも5分程度の新しいものを覚えなくてはなりません。間に合うのか・・・という空気が稽古場に横たわるのを。だいじょぶだいじょぶ〜♪と、ここの人だけがお気楽な感じで振付を渡していきました。当初は、そんな感じで皆がピリピリとした中ここの人だけは余裕をぶちかましていましたが。全員での合わせ稽古は2回しか行えなかったため、さすがにその時はヒートアップし。前日の最終稽古では今までになく、シビアな稽古に皆も口が開けない緊迫した状況に。その緊張した状況が功を奏し本番は予想以上の仕上がりで舞台を無事に終えることができました。踊る時間が12分程度と、あっという間に終わるといっても。楽屋入りは早く(8時前から集合してた)待機時間は長く(出番は13時過ぎ)、リハーサルが途中にあったものの。ほとんど楽屋内に軟禁されているような状態でした。楽屋は先にも書いたように独特の雰囲気があるもので、ピリつきもあれば気も遣う場なので。他流試合が未経験な、うちのメンバーは萎縮するんじゃないかなぁと内心不安を覚えていたんですが。仲間内で一緒にいられたせいなのか元々、何も考えてないのか(指導者に似て)。のびのびと楽しげに過ごしていて(余裕かよ)と、ここの人を驚かせていました。本番前に車座で楽屋弁当を食べ、それぞれが持ち寄ってくれた差し入れ(お菓子)をパクついて。リハーサル時の動画を回し見して、そこで笑い合ったりと。これから本番の舞台に立つ人たちには思えないような、ゆとりさえ感じました。出番は2番目だったので開演の少し前から袖にある待機用の楽屋に入ったのですが、そこは調理室のような作りの不思議な部屋で(料理教室などに使われているんだろうか)、6人ほどで座れる大きなテーブルに椅子が幾つかあり、ホワイトボードがあり。その前に、ゴザが敷かれていました。我々、一応「日本舞踊」というジャンルで踊るメンツのため着物を着用していまして。それを出番前に直すとか、そういうためのゴザ敷きだったように思うのですが。それを見て、ふっと「まるでお白洲みたい」と。言ったが最後、何故か立って待機していた指導者のここの人が罪人の役になり。 そもそも何故お弟子たちが椅子に座っているのか。 座っていた、ほかメンバーがそれを見下ろしている構図が出来上がっていました。罪人役のここの人は後ろ手に縛られている感じで深々と頭を下げ、まるで汚いものを見るような目で他が憎々しい顔を向けています。 これでも一応、指導者のここの人。 言っておきますが、これが本番の直前で最初の演目の方が舞台上に既に立たれているタイミング。更に我々の後の方たちも控え室に入られ出番を待つ、という状況下で。不謹慎この上ない「お白洲ごっこ」を声を殺しながら笑いを堪えながら、それでも止めずに続ける一同。周囲の目の冷たいことなど、なんのその。あまりの自分たちの馬鹿っぷりに腹を抑えながら、ついに本番のタイミングを迎え傍に移動しても。コソコソと、お白洲ごっこの話で盛り上がり。そのノリのまま臨んだ舞台は大変に楽しく出来が、いつも以上によかったので。遊び心って大切だな、と痛感しました(??) 花柳仲登嗣と愉快過ぎる仲間たち。